2023.01.31
森のギャラリー
2023年が始まりました。寒い日が続きますね。
今回はコンテナ苗についてご紹介します。
林業用の苗木は、通常苗畑で2~6年程度育てたものを使用しています。苗木を造林地に運ぶ際には土を払うため、根がむき出しになっています。(「裸苗」といいます)
一方、北欧などの造林地では、特殊な形のコンテナ容器の中で育苗された根鉢付きの苗木を植栽するのが主流となっています。こうした苗木は「コンテナ苗」と呼ばれています。
近年、日本でもコンテナ苗を導入する動きが進んでいます。何故でしょう?
苗木は苗畑とよばれる苗木生産用の畑で育てられ、ある程度成長したら山林の植栽場所に植えられます。
従来、苗木生産者は裸苗を生産していました。裸苗は根っこのみなので軽いですが、根が乾燥しやすく、山に植えると土に根付くまで時間がかかります。また、鍬を使って植えるので多大な時間と労力を要します。
一方、コンテナ苗は根鉢が付いているため、裸苗と比べ根へのダメージが少なく、根付きが良好で成長が早い特徴があります。また、植栽時季については、真夏や土が凍結する時期以外は常時植えることができ、専用の道具を使用することで作業が効率化され、植え付けにかかる時間も短縮されます。
ただデメリットもいくつかあります。
まず、苗木を運ぶときは土が付いているので重く、植え付け作業を行う際にはコンテナを運ぶだけで一苦労です。また、従来の裸苗と比べて値段が高いです。
コンテナ苗の植え付けは、ディブルとよばれる専用の道具を使用して行います。このディブルの先端を地面に差し込んで小さな植穴を掘り、その植穴に苗木を入れます。
根鉢と植穴の土に隙間ができないように周囲の土を軽く押さえ、乾燥を防ぐため落ち葉をかぶせれば植え付け完了です。
裸苗の植栽のように鍬を振りかぶって植穴を空ける必要がないため、作業者の身体への負担が大幅に軽減され、植栽時間も短縮することができます。
近年裸苗からコンテナ内への移行が進んでおり、当社でも、現在全体の半分弱ほどの植栽地でコンテナ苗を使用しています。
いかに確実に、そして効率的に植栽できるかが今後の林業経営を大きく左右するため、日々試行錯誤しながら、広い大地に一本一本丁寧に苗木を植えています。
浦幌山林_氷の花が咲いてました。
撮影者/帯広山林事務所 菊池
きらきら。
撮影者/帯広山林事務所 對馬
十弗山林_フクロウの巣設置。
撮影者/帯広山林事務所 菊池
三戸山林_装飾用にヒノキの葉を出荷しました。
撮影者/長島山林事務所 辰巳
三戸山林_エンジンウィンチ①伐倒木を安に引き倒すための機械を導入しました。
撮影者/長島山林事務所 辰巳
三戸山林_エンジンウィンチ②滑車を経由して機械と伐倒木を繋いで引っ張ります。
撮影者/長島山林事務所 辰巳
三戸山林_シダに埋もれるの図。
撮影者/長島山林事務所 辰巳
三戸山林_作業道が見えます。
撮影者/長島山林事務所 辰巳
似湾山林 瑠璃と朱の空。
撮影者/平取山林事務所 小林
似湾山林 間伐材。30年後にはもう10cm太くなっていますように。
撮影者/平取山林事務所 小林