2022.03.31
森のギャラリー
寒い日や暖かい日があり、激しい気温差を感じる今日この頃ですが、各地では桜の開花情報が発表されていますね。
今回は、1月と2月に北海道の旭川市で開催された「銘木市」についてご紹介します。銘木市については昨年もご紹介しましたが、今年はどのような状況だったでしょうか。
今年の銘木市は、新型コロナウイルス感染防止のため入札者以外の参加不可、入札の際は関係者のみの参加となり、入札者以外は、下見の時だけ入場が許可されました。
また、コロナ感染拡大時には、投函方式(箱に札を入れる)で入札を実施していましたが、価格の調整が難しく、2021年12月から元の集札方式に戻りました。
集札方式とは、入札者が希望単価を札に書いて頭上に掲げ、係の方が札を集めて壇上に届けます。どの会社がどのぐらいの価格に設定したか分かるので、ライバル会社は価格を調整ができるメリットがあります。
今年はナラ、カバが多く出品されていました。ウッドショックの影響で広葉樹の出品が少なくナラが高く売れるようです。
外国からの材が少なく、特に広葉樹は以前アメリカからの出品が多かったですが、コンテナ不足で物流が滞っており入手が難しい状況だそうです。また、新型コロナウイルスの影響で日本から現地に赴いて検品ができないことも原因です。
下の写真は、1月の銘木市で最も高く売れた国産のマカバです!(赤いシールが貼ってある材)
○樹種の紹介
定番で出品される樹種は4つほどです。
径級や太さで用途が変わります。
まずタモです。
日本の広葉樹の中で幹が真っすぐな木の代表格とされています。木口がほぼ正円で、素直で均等なはっきりした木目で強度と粘りがあります。乾燥は難しくなく加工しやすいです。用途は、建材や建具など。
次は、ナラ。
日本の落葉広葉樹の代表格です。高さ20~30m、直径70cm~1mほどの高木です。落ち着いた木目の美しさや色合い、程よい硬さで強度があります。用途は、家具やウイスキー樽など。
3番目は、ニレ。
高さ20~25m、直径50~60cmほどの高木。北海道では大木が多いです。材質は比較的硬く粘りがあり割れにくいです。大きな材が取れ、テーブル天板などの家具などに使われます。
今回当社からも出品しました。
最後は、マカバ。
通常、植物名ではカンバと呼ばれ、木材になるとカバと呼ばれることが多いです。日本には10数種が生育しています。その中で最も大きく成長し、材として評価が高いのがマカバです。高さ20~30m、直径50cm~1mほどの高木。硬さ、緻密さ、加工性の良さ、仕上がりの美しさなどから優良材とされています。用途は、高級家具材、合板、アイスクリームのスプーンなど。
出品されていた銘木たちが落札後、どのような製品になるか分かりませんが、森林を管理している者として、長く大切に利用されることを願っています。
古丹別山林_3月。まだまだ雪が残っています。
撮影者/札幌山林事務所 田中
沼田山林_木の陰で地面がストライプになっています。
撮影者/札幌山林事務所 田中
ウバメガシの薪です。
撮影者/長島山林事務所 辰巳
枝先に小さな松ぼっくりが育っていました。
撮影者/長島山林事務所 辰巳
三戸山林_未利用材?いえいえ、宝の山です!
撮影者/長島山林事務所 川中
鈴鹿山林_出荷を待つ丸太たちです。
撮影者/長島山林事務所 辰巳
美山山林_春はすぐそこですが山にはまだ雪が降ります。
撮影者/長島山林事務所 川中
作業道新設現場⑴_下草が生い茂っています。
撮影者/長島山林事務所 川中
作業道新設現場⑵_機械が入りました。
撮影者/長島山林事務所 川中
作業道新設現場_⑶道ができました。
撮影者/長島山林事務所 川中