2021.11.30
森のギャラリー
朝晩は冷え込みが強くなってまいりました。
今回から、当社が管理している三井物産の森の山林紹介シリーズをスタートさせようと思います。
記念すべき第1弾として、北海道帯広山林事務所管内の石井山林をご紹介します。
丘陵地に位置する浦幌町富川地域にあり、このうち82%に当たる253haが人工林ですが、優良天然広葉樹を保残しながらカラマツ・トドマツ等の植栽を行って、木材資源の保続に力を注いでいます。トドマツや広葉樹等が天然更新(自然に発芽した稚樹や根株からの萌芽により更新すること)し、針葉樹と広葉樹が混ざりあった、多様な樹齢の木々からなる針広混交林へと変化しており、日本の人工林においては珍しい景観を持つ、多様性に富んだ貴重な山林となっています。
森林の所在:北海道十勝郡浦幌町字富川
内訳:人工林 253.24ha(内、カラマツ132.01ha、トドマツ105.47ha)
天然林 55.02ha 合 計 308.26ha
路網密度:189m/ha
石井山林は、2011年に新たに「三井物産の森」に加わりました。
前所有者である石井氏の「林道は蓄積とともに経営の本質であり、道こそ山の命」との理念に基づき路網が発達しており、総延長57㎞、路網密度約190m/haと三井物産の森の中で最も高くなっています。石井氏は、昭和29年に北海道を襲った洞爺丸台風による風倒木を目の当たりにし、当時経済性を重視して一般的に行われていた、天然林を大規模に伐採して一斉に苗木を植栽する拡大造林を避け、群状にトドマツ、タモ、ニレ、カンバ類等の形質の良い天然木を多数保残し、その下にカラマツ・トドマツ等を植林する自然と調和のとれた「保残木施業」を実践し、災害に強い活力ある森林美を創り出しました。現在でもその方針を継承し、全人工林を天然生誘導林として非皆伐型施業を行っています。
石井山林には、「先代カラマツ」と呼ばれる林齢96年生(2021年現在)のカラマツの大木76本が現存しています。北海道にあるカラマツ人工林の中でも、ここまで高齢なカラマツ林はごく僅かです。
先代カラマツは、石井氏のカラマツに対する深い造詣と良質大径材生産の見本として、地域の森林所有者の姿勢に大きな影響を与えています。
石井氏の林業経営を引き継ぎ、天然更新を利用した長伐期非皆伐型林業を実践することとし、
日本の林業の目指す新たな目標林型の見本林として、他の人工林への応用を検討してまいります。
①子ダヌキに出会いました。
撮影者/札幌山林事務所 山口
②子ダヌキに出会いました。
撮影者/札幌山林事務所 山口
三戸山林_搬出間伐が本格的に始まりました。
撮影者/長島山林事務所 川中
亀山山林_クリスマスツリーにいかがでしょうか?
撮影者/業務部 伊藤
マダニです。
撮影者/長島山林事務所 川中