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2021.04.30

森のギャラリー04月森林管理のひとこま

三戸山林 防護柵

一段と暖かくなり、関東では日中汗ばむほどの陽気になってまいりました。
この時期、三戸山林(三重県)では、動物の侵入を防ぐ「防護柵」を設置する作業を行っています。

○防護柵の必要性

林業では、動物による植えた木の食害が全国的に発生しています。特に鹿やイノシシは林業を行っていく中では害獣です。鹿はせっかく植えた苗木を食べてしまい、イノシシは地表を荒らします。
そこで、植栽地に動物が侵入しないように「防護柵」を設置することが必須です!

○防護柵設置の手順

まず、必要な資材を搬入しました。

今回は、植栽地の外周約1キロメートルに防護柵を設置しました。

決められた間隔(約2.5メートル)に支柱(角パイプ)をハンマーで打ち込みます。

次に打込んだ支柱に丸パイプを繋ぎます。丸パイプの長さは約2メートル。丸パイプの先端にメインのネットを引っ掛けるためのキャップを取り付けます。

そして、ネットをキャップに引っ掛けながら広げていきます。ネットにたわみが出ないように張りながら引っ掛るようにするのですが、これがなかなか大変な作業です。このネットは鹿が噛みちぎろうとしても、ステンレス線が編みこまれているので、破けづらい丈夫なものです。

 

 

 

最後にスカートネットを付けます。スカートネットとは、柵の外側に付けるネットで、スカートのように裾を広げて張ります。鹿はジャンプして柵を超えようとしますが、スカートネットで柵と距離を開けることで、ジャンプをしても超えられないようにするものです。

この一連の作業は2週間ほど掛かりました。

○設置後の巡視は必須!

防護柵は完成したら終わりではなく、設置後の巡視が必須です。

梅雨の長雨や台風通過後には、防護柵に異常が無いか必ず巡視します。落石や倒木によりネットや丸パイプが破損すると、そこから鹿が侵入してしまうためです。
最近の巡視ではドローンが活躍しています。ドローンで破損箇所を確認して、必要な資材を担いで現場へ向かい、すぐに修復します。
まさに先日ドローンで巡視中、防護柵の近くにいる鹿を発見しました!

非常に手間と時間とお金が掛かりますが、植えた木を守る上で大事な対策です。今後もしっかりと獣害対策を行ってまいります。

森からの便り - 四季折々の一期一会

三戸山林_即席の階段。山の作業では現場にあるものを有効活用します。

撮影者/長島山林事務所 辰巳

一列に並んだ切り株がベンチのようです。ここでお弁当を食べたいなぁ。

撮影者/長島山林事務所 辰巳

雪の上のケモノ道です。(ここだけ硬くて歩きやすいです。)

撮影者/札幌山林事務所 田中

沼田山林_土場の跡地に長い年月をかけてシラカバが天然更新をしていました。

撮影者/札幌山林事務所 阿部

一年遅れで芽を出すオヒョウニレの子たちがたくさんいました。

撮影者/平取山林事務所 齋藤

三戸山林_シャクナゲです。

撮影者/長島山林事務所 川中

清滝山林_ヤブツバキです。

撮影者/長島山林事務所 川中

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